公式のインターネット大会である「2017 International Challenge February」で使用した構築。結果は31勝14敗で最終レートは1739。
【概要】
VGC2017ルールのトップメタであるカプ・レヒレ+ウインディ+カミツルギの並びを自分の中である程度の形にしたかったので、この3体から構築を開始。
相手のS操作に対抗するためこちらもS操作技で切り返す必要があると考えたが、軸となるカプ・レヒレとウインディはSが高くなく、追い風+拘りスカーフガブリアスの数が増えているためS操作手段にはトリックルームを選択。トリックルーム役として、ガブリアスに対する高い打点を持ち、高い数値と再生回復により広範囲への誤魔化しが可能なポリゴン2を採用。
残りの枠には、ポリゴン2やカプ系統の処理速度を速めつつある程度の受けだしが可能な駒としてベトベトン、カミツルギが出せない相手に対し2体目のZ技枠として、また気持ち程度に電気の一貫を切るためにガブリアスを採用した。
【個別解説(採用順)】
カプ・レヒレ@拘り眼鏡 ミストメイカー
控えめ 175(236)-x-136(4)-159(236)-151(4)-109(28)
高い耐久数値と範囲技により初手から削りを入れるポケモンとして採用。
最近では瞑想を積む構成のカプ・レヒレも多いが、構築内で積みのサポートとなるのがウインディの威嚇くらいしかなく積むのは不安要素が多く、相手を削りほかのポケモンの圏内に入れる対面的な動きの方が構築として噛みあっていると考え拘り眼鏡での採用。
技構成は、高火力範囲技で削りに優秀な濁流、単体への確実な打点としてムーンフォースと熱湯、命中安定の範囲技としてマジカルシャイン。積み技を利用したギミックに対抗するために熱湯かマジカルシャインを黒い霧にしても良かったが、黒い霧で技が固定されるのは不要な隙を作ってしまうと考え攻撃技4つとした。
配分はHCベースでミラー意識のSが高めのもの。Sをもっと高くすることも考えたが、Sを上げても抜けない相手は多く、火力や耐久をできるだけ下げたくなかったため、ポリゴン2のトリックルームとの相性を考えてSに割いていないカプ・レヒレとのミラーで先手が取れれば十分と判断した。
ウインディ@拘り鉢巻 威嚇
意地っ張り 183(140)-172(212)-101(4)-x-110(76)-125(76)
・ガブリアスと並べた際にB<D
・最速テッカグヤ+1
威嚇によりカプ・レヒレの行動をサポートしつつ削れた相手を神速で処理するために採用。
序盤から圧力を掛けることと終盤に神速で縛れる範囲を広げるために拘り鉢巻を持たせた。
技構成は、採用理由の神速、圧力を掛けるための最大打点としてフレアドライブ、水タイプへの打点としてワイルドボルト、ポリゴン2やカビゴンに対する打点としてインファイト。
配分は、反動や定数ダメージ等で削れやすいこと、威嚇を複数回使いまわすために相手の攻撃を耐えた後に温存する動きを考えるとある程度の耐久が欲しかったことから、Sは最低限確保しつつ、陽気ガブリアスの地震を威嚇無しでも耐えるところまでHPを伸ばし、ガブリアスと並べた際に相手のポリゴン2のダウンロードでAが上がるようにDを設定、残りをAとした。
カミツルギ@草Z ビーストブースト
リーフブレード/聖なる剣/身代わり/見切り
陽気 137(20)-214(100)-152(4)-x-68(132)-177(252)
カプ・レヒレが削った相手を倒しビーストブーストを発動させ高いSにより縛っていくためのポケモンとして採用。この構築におけるメインのZ技枠。
技構成は、Z技を使うためのメイン技としてリーフブレード、カビゴン等への打点となる聖なる剣、隣のポケモンで相手を縛っている際に有効な身代わり、相手の特殊技からの縛りを解除するために見切り。
配分は最速かつZリーフブレードで無振りガブリアスを落とせるAを確保し、残りをDに回し不一致特殊技であればある程度は耐えるようにしたもの。
ポリゴン2@進化の輝石 ダウンロード
トライアタック/冷凍ビーム/トリックルーム/自己再生
控えめ 191(244)-x-110-170(236)-119(28)-80
・ガブリアスと並べた際にB<D
環境に多い追い風ギミックに対抗するためのS操作役として採用。
技構成は、採用理由であるトリックルーム、広範囲への安定打点としてトライアタック、構築全体で地面が一貫しているためガブリアスを素早く処理するための冷凍ビーム、複数回の受けだし、トリックルームのターン調整や再展開に使える自己再生。
配分はポリゴン2自身が相手に負荷を掛けられるようにほぼHCに振り切っているが、細かい耐久調整ができていないため再検討の余地がある。
ベトベトンR@フィラの実 食いしん坊
毒突き/叩き落とす/影撃ち/守る
意地っ張り 212(252)-154(116)-103(60)-x-128(60)-73(20)
・毒突きがB105カプ・コケコに134-158
・毒突きがB96カプ・テテフに146-174
・影撃ちがB105カプ・コケコに22-27
・影撃ちがB115ガブリアスに21-25
カプ・レヒレ+ウインディ+カミツルギの並びで処理が難しいポリゴン2や、カプ系統への処理を早めるために採用。
技構成は、構築全体でポリゴン2の処理速度を速めることができる叩き落とす、カプ系への安定打点として毒突き、削り残した相手や気合の襷で耐えた相手を縛ることができる先制技の影撃ち、相手のZ技のダメージを軽減したり、構築全体で展開速度が速くなりがちな部分を調整することもできる守る。
持ち物は相手の攻撃を耐えた場合に数値を底上げできるフィラの実。木の実を確実に発動させ場持ちを良くするために特性は食いしん坊。
配分は、まず最低限無振りカプ・コケコを毒突き+影撃ち、無振りカプ・テテフを毒突きで倒せる火力を確保し、B方面をガブリアスのZ地震を守る貫通時に確定2発となるようにした。このBを確保することで、木の実が発動していないもしくは木の実発動直後であれば守るでZ地震をしのぐことができるためガブリアス相手に選出する場合にHP管理が容易になると考えた。ミラー意識でSは多めに割き、残りをDとした。
ガブリアス@地面Z (鮫肌)
地震/毒突き/炎の牙/守る
陽気 187(28)-181(244)-116(4)-108(20)-163(212)
・カミツルギ以外と並べた際にB<D
・最速96族+1
カミツルギが選出しづらい場合のZ技枠として採用。
技構成は、Z技の元になり高火力の範囲技として地震、守る持ちが構築内に少ないため、地震を撃ちづらい場合でも相手のカプ系統へ打点を持つため毒突き、カミツルギやテッカグヤへの打点となる炎の牙、大事に扱うための守る。高耐久ポケモンに対する崩しを狙える剣の舞も候補には挙がったが、構築内にガブリアスの動きをサポートできるポケモンが少ないため採用を見送った。
配分は、Aは相手のガブリアスをZ地震とベトベトンの影撃ちを重ねて処理できるようにほぼ全振り、耐久面は相手のポリゴン2のダウンロードを意識しある程度Dを伸ばしつつ相手のガブリアスのZ地震を耐えるように設定。この条件を満たすためにはSを削らざるを得ないため最速96族抜きで妥協した。実際にSを削ったことが直接の敗因になることはなかったため今回はこれで問題なかった。
ちなみに、今回の構築ではカミツルギ以外のポケモンはどのような組み合わせで横に並んでも相手のポリゴン2のダウンロードでAが上がるようにBとDの実数値を設定している。
【使用感・反省点等】
・カプ・レヒレで雑に削りウインディの神速やベトベトンの影撃ちといった先制技で縛る動きが強い。ウインディとベトベトンの2体は特性により受け出しから相手を縛りにいく動きが可能な点が強い。
・カプ・レヒレ+ウインディを先発で出した場合、どちらかをポリゴン2やベトベトンに引き、終盤に威嚇やミストフィールドの再展開を狙うことが多い。
・流行りの追い風をトリックルームで切り返す動きは比較的狙い通りに決めることができた。
・地面が一貫している上にカミツルギ以外は最速ガブリアスより遅いためガブリアス入りにはうまく地震圏内に入らないよう立ち回る必要がある。
・キュウコンのオーロラベールを阻止する手段がほぼないため、キュウコン入りに対し打ち負けやすい。
・浮いているポケモンがおらず選出率の高いポケモンが守るを持っていないことからガブリアスを選出できる機会が非常に少なかったため、この枠は別のポケモンにするべきだった。
【参考記事】
【サンムーン・WCSバトル】ウインディ&カプ・レヒレ軸対面重視パーティ | APPDATE -ポケモンサンムーン対戦攻略メディア-