【実数値】
ガルーラ 181-146-101-x-101-156 → 181-176-121-x-121-167
ドーブル 143-41-72-x-68-139
ボーマンダ 171-180-90-137-101-167 → 171-190-135-147-111-189
グラードン 175-180-180-202-111-156
ゼルネアス 209-x-116-173-121-166
ガオガエン 201-176-110-x-119-72
インターネット大会「アンリミテッドトライアル」(ルールはWCS2019ウルトラシリーズ準拠)で使用した構築。結果はレート1685で81位。
【概要】
ゼルネアスでジオコントロールを積んで制圧することをコンセプトとした構築。ゼルネアスにとって障害となる要素を全力で排除していくことを目指した。
構築内に威嚇や猫騙しを複数採用し、ゼルネアスが安全に積む隙を作るとともに、ゼルネアスが苦手な相手に対して猫騙しで動きを止めながらその隙にゼルネアスで有利な相手を倒す、あるいは不利な相手に削りを入れられるようにしている。
並びとしては2016ルールでBig6と呼ばれたものに近いが、基本的な立ち回りはサイクルを回して猫騙しや威嚇を使いまわしながらゼルネアスが積むチャンスをうかがうという、かなり受け寄りなものとなっている。
構築を考え始めた当初は、拘りスカーフカプ・テテフやクサZカミツルギといった素早く高火力を出せるポケモンを採用し、ゼルネアスが苦手な相手を倒してからジオコントロールを積む動きを目指していた。それを本大会1週間前に仲間大会で使用したが、苦手な相手を倒しきれずに結局ゼルネアスに負荷がかかってしまうことや、アタッカー寄りのポケモンが多すぎるために相手の素早さ操作を捌ききれないといった欠点が目立ったため、猫騙しや威嚇を駆使してかわしていく方向へシフトすることにした。
課題としては、カイオーガ+レックウザの組み合わせに対し取り巻きまで考慮した具体的なプランが定まっていなかったこと、猫騙しに頼っている部分が多くフィールドを奪う手段も無いためカプ・テテフ+ミュウツーのような相手に一方的に攻められてしまうことが挙げられる。
【個別解説】
ゼルネアス@パワフルハーブ/フェアリーオーラ
臆病 209(60)-x-116(4)-173(172)-121(20)-166(252)
- B : A232メガレックウザ命の珠ガリョウテンセイ175~208
- D : D+2状態でC255ゲンシカイオーガ雨潮吹きダブルダメージ100-118、同条件根源の波動76~90
- C : 207-120ゼルネアスに+2状態のムーンフォース204~241(15/16)
構築の軸であるゼルネアス。グラードンやガオガエンを後発に置いておきたいことから先発で出すことが多いが、序盤からジオコントロールを狙うとレッドカードや吠える、黒い霧といったピンポイント気味の対策を踏む可能性が高い。そのため序盤はゼルネアスで鋼や物理ポケモンを誘って即ガオガエンに引き、サイクルを回していき終盤の詰めとしてジオコントロールを使うことが多い。
技構成は一般的な4つ。苦手な相手は他に任せるか猫騙しを入れながらその間の蓄積でごり押す、それ以外はフェアリー技だけで火力は足りていると考え、単体技と範囲技を打ち分けられるムーンフォースとマジカルシャイン両立。守るは苦手な相手に対しゼルネアス守りながら隣を猫騙し持ちに交代→猫騙しで相手の動きを止めながらゼルネアスを動かす→ゼルネアス守りながら隣を猫騙し持ちに・・・という動きが単純ながら強力なため切れない。
配分は最速と最低限の耐久を確保し残りを火力に回した。ジオコントロールをより積みやすくするために性格を控えめにして火力を最低限確保しつつ耐久を伸ばす案もあったが、積んでいない状態で削れた相手を倒しに行く場合があること、構築内に素早さ操作が無く追い風下の中速相手に積んだ後のゼルネアスが単独で相手をしないといけない場面があると考え抜ける相手が多くなるよう最速個体を採用した。
勇敢 201(244)-176(196)-110-x-119(68)-72
- A : A-1状態で174-138ドータクンにハイパーダーククラッシャー174~206、207-116ゼルネアスにフレアドライブ103~123(99.6%で2発)
猫騙しと威嚇によるサポート、とんぼ返りによる後続の安全な繰り出し、鋼への高打点とゼルネアスの相方にふさわしいと考え採用。猫騙しと威嚇をどちらもメガシンカであるガルーラとボーマンダで分散しているため猫騙しか威嚇の片方しか選出できない問題をメガシンカ+ガオガエンの形で解決でき、また猫騙しか威嚇のどちらかは2体選出できることになるためサイクル戦に対応しやすくなる。
対トリックルームも基本的にガオガエンを中心に誤魔化していくことになるが、トリックルーム役を即処理して起動させないに越したことは無いためガオガエンZで採用した。
技構成は、採用理由である猫騙し、鋼への打点となりグラードンを出しながら打つことで高火力になるフレアドライブ、上記の通り対トリックルームや単純な高打点としても期待できるZ技のベースとなるDDラリアット、メガシンカや伝説を安全に繰り出すためのとんぼ返り。守るや横取り、吠える等も候補ではあるが、対トリックルームや削りの範囲を考えると炎と悪の高火力技2つは切れず、またこのルール・構築において最も強いガオガエンの使い方は交代出しを繰り返しながら猫騙しで隣をサポートすることだと考えこの4つで落ち着いた。
配分について、素早さは勇敢のS個体値Vで最遅日食・月食ネクロズマ-1となりトリックルーム下で先制できる72、Aを性格補正の効率が良い11nの176にすると一段階下降のハイパーダーククラッシャーでH振りドータクンがちょうど一発で倒せるためこの値に設定、Hをフレアドライブの反動を考慮しほぼ最大にし残りを威嚇による補助が効かないDに回した。
グラードン@紅色の珠/終わりの大地
噴火/大地の力/断崖の剣/守る
臆病 175-180-180-202(252)-111(4)-156(252)
2体目の伝説ポケモンとして、ゼルネアスが苦手とする鋼に打点があること、カイオーガに最大火力の水技を撃たせないこと、ゼルネアスが動けない場合に高威力の範囲技で圧力をかけるといった役割が持てるグラードンを採用。鋼への打点や範囲技の安定性を考え臆病個体とした。また、少し前までの仲間大会のデータから、グラードンは物理型や素早さの低い型が多い傾向にあり、素早さの高い特殊個体であればグラードンで相手のグラードンを倒しに行けると判断した。
採用理由から噴火と大地の力は確定、構築全体で見た際にサイクルを回すことが多く、隣を交代させるタイミングで被害を抑えるために守るも必要。残り1枠は、カイオーガやジオコントロール後のゼルネアス等特殊耐久の高いポケモンを削る場合や、交代される方向を読まずに削りを入れられることで思考への負担を減らせる断崖の剣を採用。トリックルームやゼルネアスへの対策として守るか断崖の剣を吠えるに変更する手もあるが、相手の立ち回り依存になってしまうため見送り。グラードン自身は数値の高さを生かして攻撃に参加しやすくした方が対応範囲が広がると考えた。トリックルームには猫騙しを使いまわして時間を稼ぐ、ゼルネアスには複数のポケモンの連携で削り切って隙を見せないようするといったように、苦手な相手には専用の対策を用意するより負け筋を念頭に置いてそれを避ける立ち回りを心掛けるようにした。
配分は採用理由から臆病CS。グラードンミラーを意識して控えめの耐久を高めた型にすることも検討したが、素早さ操作が無いためグラードンが噴火を撃ちやすくするためには出来る限り抜ける相手を増やした方が良いと判断し最速とした。
ガルーラ@ガルーラナイト/肝っ玉→親子愛
猫騙し/捨て身タックル/噛み砕く/守る
陽気 181(4)-146(244)-101(4)-x-101(4)-156(252) → 181-176-121-x-121-167
2体目の猫騙し要員。親子愛の仕様変更とグロウパンチ没収による火力低下はあるものの、猫騙し役として高めの素早さ、強引な後出しや居座りに対応でき伝説ポケモンともある程度打ち合える耐久・火力はあると考え採用した。猫騙しの打ち合いに強めなため先発で出し、ガオガエンと合わせて威嚇を使いまわしながら、どこかのタイミングでゼルネアスがジオコントロールを積める状況になるのを待つような展開が基本になる。
技構成は、採用理由の猫騙し、耐久振りのゼルネアスやカイオーガ、猫騙しの通らないカプ・テテフ等に対するダメージが恩返しでは足りないため捨て身タックル、構築全体でやや苦手なゲンガーやドータクン、ルナアーラへの打点となる噛み砕く、サイクルを回す過程でガルーラが倒されないようし、猫騙しと合わせて追い風やトリックルームのターン稼ぎにも有効な守る。
配分は採用率の高い伝説ポケモンの素早さ種族値が90~99が多いこと、捨て身タックルで削れる範囲をできる限り広げたいと考え陽気AS。
メガシンカ前の特性は、精神力を考慮するとガルーラ自身は猫騙しを撃たれづらいこと、ゲンガーやルナアーラに猫騙しを入れたい場面があると考え肝っ玉。
捨て身タックル/流星群/竜の舞/守る
せっかち 171(4)-180(196)-90-137(52)-101(4)-167(252) → 171-190-135-147-111-189
- C : 181-120メガレックウザに流星群182~216(メガシンカ後)
- B : A-1状態のA232メガレックウザ神速35~42(メガシンカ後)
- D : C255ゲンシカイオーガ雨潮吹きダブルダメージ109~129(メガシンカ後)
基本的には猫騙しを使いまわすためにガルーラを出すことが多いが、ここまででメガレックウザに対し先手を取れるポケモンがいないため、メガレックウザに先手を取れてかつ有利を取れるポケモンが必要だったためメガボーマンダを採用。ボーマンダ自体は別の並びで仲間大会に参加していた際に追い風を採用した耐久重視の配分で使っていたが、相手に与えるダメージが少なく追い風を有効活用できていないと感じたため、火力を伸ばしボーマンダ自身で相手に負荷を与えられるようにした。
技構成は、役割対象であるメガレックウザを即処理できるよう流星群、相手を大きく削るために瞬間火力の出る捨て身タックル、威嚇を受けても火力を戻すことができガオガエンの猫騙しや後述のドーブルが作った隙を有効に活用するために竜の舞、竜の舞を使う関係で自身が長く居座れるように守る。ただこの竜の舞が役に立ったかというと微妙なところで素直に追い風でも良かった。
配分に関しては、上述したように耐久重視の配分に使いづらさを感じたため火力重視の配分。メガレックウザをはじめ抜ける相手を増やすため最速を確保しつつ、Cを流星群で無振りメガレックウザを倒せる数値を確保し残りをAに回した。BとDのどちらを下げるかだが、ゲンシカイオーガの水技+メガレックウザの威嚇込み神速を受ける際にBを下げた方が合計ダメージを抑えられるためBが下がるせっかちを選択。
ドーブル@拘りスカーフ/テクニシャン
猫騙し/キノコの胞子/この指止まれ/挑発
陽気 143(100)-41(4)-72(132)-x-68(20)-139(252)
苦手な相手を無理矢理なんとかするために最後に採用されたポケモン。クロバットのような猫騙しで追い風展開を阻害できないような相手に対し、拘りスカーフを持たせてキノコの胞子や挑発を先制で撃つことで止めに行く。また、相手の猫騙しを誘発しやすい性質を利用して相手の猫騙し役の隣に猫騙しを撃つことでゼルネアスやボーマンダが積める状況を作ることもある。
技構成は上記の理由から猫騙し、キノコの胞子、挑発と、相手に先に展開された場合でも隣のポケモンを安全に動かしつつドーブルが放置されないこの指止まれ。ただこの指止まれは大会中ほとんど使う場面が無かったため、相手のグラードンの断崖の剣が一貫しているためそれを防ぐワイドガードか、カイオーガ相手に天候を取り返せたりゼルネアスが積んだ後の勝ちをより確実なものにできる変身でも良かったかもしれない。
配分は、選出する際に先手で行動したい場面がほとんどなので最速、猫騙しの標的になりやすいためBをできるだけ伸ばしたいが6世代に比べれば先制技を受ける機会は減ったこと、カプ・コケコのマジカルシャインのような低火力範囲技に巻き込まれることが多いと考えD方面を少し伸ばした。
特性に関して、この指止まれを中心に使う場合はムラッ気による防御・特防・回避上昇が役に立つ場面があるが、今回は不利な相手をキノコの胞子や挑発で止める役割がメインであり、命中や素早さの低下を引いた際のデメリットが大きいこと、7世代では相手から混乱を貰う場面が非常に少なくマイペースのメリットも少ないため、猫騙しのダメージが少しでも増えることに期待してテクニシャンを選択した。