【実数値】
モロバレル 207-x-96-146-112-35
ゼルネアス 233-x-121-176-132-124
ガオガエン 200-135-115-x-154-72
カプ・テテフ 146-x-95-182-135-161
ルナアーラ 213-x-109-189-127-163
カミツルギ 135-233-151-x-51-177
INCで使用した構築。結果は29勝16敗で最終1710くらい。
【構築経緯】
サンシリーズが始まってからいろいろな組み合わせを試していた中で、イベルタルとカイオーガが単体での攻撃性能が高く使いやすいと感じたためその2体をしばらく使っていたが、この2体は火力が安定しない点が気になっていた。具体的には、イベルタルは相手の威嚇や持ち物消費により叩き落とすの威力が下がる、カイオーガは日本晴れも含めて天候の奪い合いが頻発する、といったように、火力の振れ幅が大きかった。この点を解消するために、より安定した火力を出せるようイベルタルがルナアーラに、カイオーガがゼルネアスに代わった。
威嚇や猫騙しがゼルネアスと相性の良いガオガエンと、イベルタル+カイオーガを使っていた時の名残でもあるが相手のゼルネアスの積みをリセットし自分のゼルネアスで一方的に積めるレッドカードモロバレルの2体をサポート役として採用。
カイオーガを採用していた頃はトリックルーム展開も視野にいれていたが、ゼルネアスに変更したことで構築全体の素早さを上げて追い風展開に寄せた方が良いだろうと考え、2体目の追い風要員となれカイオーガやグラードンに火力で圧力を掛けられるカミツルギ。上述のサポート役一般ポケモン2体は相手を積極的に倒していく性能ではないため一般枠で火力と素早さを両立できる点を評価しての採用。
最後の枠はあまり納得できるポケモンが見つからなかったが、相手の展開を妨害する性能や拘りスカーフカイオーガを上から削れる点に着目して拘りスカーフカプ・テテフを採用した。
【個別解説】
ルナアーラ@カシブの実/ファントムガード
臆病 213(4)-x-109-189(252)-127-163(252)
伝説の1体であるが、メインの仕事は追い風によるサポート。
最初の頃は伝説は攻撃に徹するべきという自論があり伝説に素早さ操作をさせることに否定的だったが、素早さ操作をした後にすぐに高火力の攻撃に移れるというメリットがあることに気付いた。
この役割をはじめはイベルタルに持たせていたが、ガオガエンを後出しされるだけで機能しなくなり、それに対する対抗策が非拘りのカイオーガをあらかじめ出しておくくらいしか見つからなかったため、威嚇を受けても火力が下がらない特殊メインのルナアーラに変更した。特殊技しかないため威嚇により火力が下がらず、ガオガエンを後出しされてもその隣に通りの良いシャドーレイにより安定した削りが入れられること、ゴーストタイプのため猫騙しで妨害されないこと、特性の効果により行動しやすいとサポートとして優秀な要素が多い。
技構成は、採用理由となる追い風、メインの攻撃技で安定した削りを入れられるシャドーレイ、特殊耐久が高い相手への削りになるサイコショック、ワイドガードで範囲技を防ぎたい場面よりルナアーラ自身を確実に温存したい場面の方が多いだろうと考え守る。
持ち物は初手のルナアーラミラーで確実に行動するためにゴースト半減のカシブの実。一応発動機会はあったがルナアーラミラーで役立つ場面は無く、シャドーレイの火力が微妙に足りない場面もあったので微妙なところ。
配分は、追い風展開が軸のため最速は必須、耐久は素の数値と特性に任せて火力をできる限り伸ばしたいと考えCS。
ゼルネアス@パワフルハーブ/フェアリーオーラ
控えめ 233(252)-x-121(44)-176(68)-132(108)-124(36)
- H-D:183ゼルネアス+2ムーンフォース196-232、222カイオーガプレート雨潮吹きダブルダメージ192-226、222カイオーガ拘り眼鏡雨根源の波動ダブルダメージ177-208
- C:D119ゼルネアスに+2ムーンフォース210~247
- S:準速70族+2
構築のエース。もともとはカイオーガだったが、拘り型は動きにくい場面が目立つ、拘りスカーフ以外は素早さ操作への依存度が高い、対グラードンや日本晴れを考慮すると火力が安定しないと不安要素が多かったため、火力が安定し上手く積めれば単体で一掃を狙えるゼルネアスに変更した。
持ち物・技構成は一般的なジオコントロール型のもの。身代わりを採用する案もあったが、身代わりを使うタイミングが構築段階で見えなかったため見送り。
配分はゼルネアスミラーや対カイオーガを強く意識して特殊耐久に多く割いた。もともとは耐久を厚めにした非拘り型カイオーガだったこともあり、タイプは異なるものの似た役割を持たせるために耐久を伸ばす必要があったという理由もある。素早さに関してはエレキネット持ちカプ・コケコや最速ルンパッパ、ドーブルといったところを意識するともう少し伸ばしたいところだったが、カプ・コケコからはジオコントロール後のゼルネアスへの有効打が少ない、ルンパッパは対カイオーガを意識した控えめが多い、ドーブルはそもそも数が少なく多少薄く見て良いと考え火力と耐久を優先した。
ガオガエン@イアの実/威嚇
生意気 200(236)-135-115(36)-x-154(236)-72
- H-D:183ゼルネアスC+2ムーンフォース169-199
- S:最遅77族-1
猫騙しと威嚇、高めの耐久と遅めの素早さからのとんぼ返りによる後続の安全な繰り出し等、サポート役として有効活用できる要素が多く、全体的に後出し性能の低いポケモンが多い中で立ち回りの幅を広げる目的で採用した。
技構成は、採用理由の猫騙し、ゼルネアスが勝てないナットレイへの打点となる炎技で汎用性が最も高いフレアドライブ、伝説を安全に繰り出したり威嚇・猫騙しの再利用に便利なとんぼ返り、ルール上通りが良く相手のガオガエンを倒しにくい構築のため木の実を落として処理を速めるための叩き落とす。
何度も後出ししてとんぼ返りで他のポケモンを安全に繰り出したいため素早さを下げて耐久重視の配分。HPが多く残っていた方が何かと便利だと考え半回復木の実。この配分でいろいろな攻撃を丁度よく耐えて木の実が発動する場面が多かったため耐久面ではこれ以上の配分は無いと感じた。
モロバレル@レッドカード/再生力
草結び/キノコの胞子/怒りの粉/守る
控えめ 207(140)-x-97(52)-146(220)-112(92)-35
- H-D:183ゼルネアス+2手助けムーンフォース174-206
- H-B:222グラードン鉢巻断崖の剣ダブルダメージ174-205(84% ~ 99%)
- C:207-111グラードンに草結び180-212(2/16)
- S:黒い鉄球持ち最遅77族-1
イベルタル+カイオーガを使っていた際に相手のゼルネアスがとにかく重かったため、レッドカード持ちを採用することで相手のゼルネアスを一旦放置できるようにしようと考えた。そのためには選出画面の段階では違和感が無い程度のメジャーなポケモンである必要があると考えモロバレルを選択。
技構成は、キノコの胞子と怒りの粉は単純に味方をサポートする上で必須に近く、モロバレルを集中で落とそうとしてくる相手に対して守るを合わせることができれば次のターンまで有利な状況を維持できるため守るも欲しい、攻撃技はグラードンカイオーガはもちろん多くの伝説ポケモンに大ダメージを与えられる草結びで4つが埋まる。レッドカードを持っているため、クリアスモッグを採用しなくとも相手の積み技に対してはある程度対抗できると考えた。
配分については、ジオコントロール後の臆病ゼルネアスの手助けムーンフォースを耐えるところまで特殊耐久を伸ばし、残りはこれもカイオーガを採用していたときの名残だがグラードンを意識してB方面とCに割り振った。配分に関して対ゼルネアスで不都合は無かったが、より万全を期すなら+2控えめムーンフォース急所耐えまで伸ばしても良かった。素早さについては下げすぎる意味も無いと考えて、最も遅い伝説になるだろうと考えた黒い鉄球持ちの最遅日食/月食ネクロズマをトリックルーム下で抜ける値に設定した。
実際に使ってみると、対ゼルネアスピンポイント気味のため、相手の攻撃を一回受けつつ再展開を狙ったり、トリックルームに対し妨害したりといったモロバレル本来の動きがしづらく、立ち回りが窮屈に感じる場面が多かった。
カミツルギ@気合の襷/ビーストブースト
リーフブレード/聖なる剣/追い風/見切り
陽気 135(4)-233(252)-151-x-51-177(252)
構築を追い風に寄せるにあたり、ルナアーラ以外にも追い風役がいた方がいろいろと動きやすいと考え、2体目の追い風要員兼アタッカーとして採用。
技構成は採用理由の追い風と安定した高火力技でグラードンカイオーガの処理を早められるリーフブレードは確定、確実に追い風を使うための気合の襷を温存しておくのに便利な見切り、残りはやはり相手のガオガエンやツンデツンデの処理スピードが構築全体で足りてないため聖なる剣を選択。
低火力特殊技を何度も受けることになる環境ではないため配分は攻撃性能を最大まで高めるための陽気AS。
臆病 146(4)-x-95-182(252)-135-161(252)
相手の猫騙しを防ぎながら相手の展開は挑発で妨害でき、かつ攻撃性能が高く追い風展開と噛み合うと考え採用。相手のカイオーガに先制して大ダメージを与えられること、挑発を撃つ場合は何としてでも相手の展開を止めたい場合が多いため拘りスカーフを持たせた。
特殊耐久が高いポケモンが多いルールのためサイコショック、エスパー技の通らない相手への安定した打点となるムーンフォース、採用理由でもあった展開妨害のための挑発まではすぐに決定。最後の枠にははじめガオガエンやナットレイ、ツンデツンデ等の処理を速めるために気合玉を考えていたが、範囲技を使えるポケモンがもう一体欲しいように思ったためマジカルシャインとした。実際ガオガエンはある程度削ってゼルネアスのムーンフォースやカミツルギの聖なる剣で倒す、ナットレイやツンデツンデに対しては気合玉で拘りたく無く、ガオガエンやカミツルギでの処理を狙うことが多かったため気合玉を切る弊害はほぼ無かった。
配分は拘りスカーフカイオーガに対して確実に先手を取りたいことと火力を高めて相手に負担をかけたいため臆病CS。
特性がガオガエンの猫騙しとの相性が悪いこともあり構築段階では一番納得のいっていない部分だったが、特性によりルナアーラの火力を強化しつつ悪タイプをフェアリー技で削ったり、ゼルネアスと並べて強化されたフェアリー技連打で押していける等攻撃面での相性が伝説2体のどちらとも良く、選択としては間違いではなかった。