【実数値】
ハバタクカミ 147-×-97-172-156-180
ヘイラッシャ 257-121-157-×-108-57
キラフロル 179-×-111-176-103-138
ガオガエン 202-135-156-×-111-65
カイリュー 167-204-115-×-120-132
ディンルー 262-131-165-×-127-66
PJCS2024本戦での使用構築です。
結果は8勝12敗最終レート1457と惨敗でしたが、予選2回目を抜けることができた構築がベースになっているためそれと合わせて記載します。
予選2回目Ver.
【実数値】
イーユイ 臆病 131-×-100-187-140-167
※他は本戦使用時と同じ
【概要】
レギュレーションFに限らずSVのダブルバトルはテラスタルとウーラオスの存在により初手に安定する行動が少なく、通れば勝ち通らなければ負けの択勝負を初手からすることがものすごくストレスに感じていました。
これを解決するために、対戦序盤は自分から攻めるのではなく相手の動きを見て、後半で相手の動きに合わせて有効な攻め筋を選択できる構築を組みたいと考えました。ただし、序盤で相手の動きを見る際に相手に好き勝手にされないよう、相手の動きをある程度制限できる要素を持ち合わせている必要がありました。
この条件に合致していると考えたのがヘイラッシャの欠伸から始動する構築で、ヘイラッシャのもともとの高耐久と欠伸により相手に自由な展開をさせないようにしつつ交代を促して選出を割り出したり、眠らせることで自分の後発の起点にできます。
また、個人的に追い風やトリックルームといったターン数制限のあるS操作や、拘りアイテムを使うことに苦手意識があり、どれだけ練習してもその苦手意識を払拭できなかったため、それらの要素を出来る限り使わない構築を目指しました。
そのほかの要素として、昨年の予選で使用した構築と同様、身代わりと守るを出来る限り多く採用することで、相手のテラスタルによる即負けを回避する、相手の安易な守るや補助技にリスクを与えることを狙っています。
【個別解説】
■ハバタクカミ@ブーストエナジー/古代活性/草
祟り目/ムーンフォース/身代わり/守る
臆病 147(132)-×-97(172)-172(132)-156(4)-180(68)
- H-B:A189パオジアンの災いの剣氷柱落とし最高乱数切り耐え
- S:最速111族+1
- H:16n+3(身代わり分のHPをグラスフィールド4回で回復できる中でできるだけ高く)
ヘイラッシャの欠伸により盤面を作った後に後発から出していく特殊アタッカーとしての採用です。
ヘイラッシャが相手を削り切る性能が高くはないため、広範囲に打点を持てるポケモンが必要であり、Sブーストするハバタクカミは大半の拘りスカーフ持ちよりも高いSから技を打ち分けることが出来る点がスローテンポの欠伸展開と噛み合っていると考えました。
技構成は、ヘイラッシャの欠伸やキラフロルの毒化粧と相性の良い祟り目、欠伸展開と相性が良いのは2体を満遍なく削るより1体を削り切れる火力と考えムーンフォース、欠伸が入った相手に対し安定択となりやすい身代わりと守るとしています。
身代わりの枠は相手の化身ランドロス等に対し有利に展開できる凍える風も試しましたが個人的に身代わりがあった方が終盤の詰め筋を考えやすかったため身代わりを選択しました。
配分はSブーストするハバタクカミとしてはSを低めに設定してその分耐久を高めに設定しています。
Sブーストするハバタクカミは先発起用する場合ミラー意識でSを出来るだけ高く設定したくなりますが、ヘイラッシャを構築の軸としていることで初手にSブーストハバタクカミミラーとなることがなく、相手のSブーストハバタクカミは欠伸で一度交代させるor眠らせることでミラーの不毛な素早さ勝負を回避しやすくなっています。
ミラー意識でSを伸ばす必要性が薄いということで、火力と耐久を出来るだけ両立できる配分を考えた結果、テラスタルや持ち物により火力が変わることが少ないパオジアンの氷柱落とし耐えを物理耐久ラインに設定、残りをCに配分しました。身代わりを使うこととゴリランダーを選出されやすいことから、身代わり分のHPをグラスフィールド4回で回復できるHPに設定しています。
テラスタイプはモロバレルのキノコの胞子や水ウーラオスに耐性を持つことが出来、構築で重い原種ガチグマに対し択勝負に持ち込める草を選択しました。
■ヘイラッシャ@食べ残し/鈍感/毒
ウェーブタックル/欠伸/身代わり/守る
腕白 257(252)-121(4)-157(60)-×-108(180)-57(12)
今回の構築の軸で、基本的には初手から出して欠伸で相手の交代を促す、またはディンルーの砂地獄と組み合わせて確実に1体を眠らせて後続の起点にすることを狙います。
技構成は、採用理由の欠伸と、欠伸を入れた相手が交代しなかった場合に確実に眠らせることができ食べ残しの回復を稼ぐこともできる守る、相手を倒す際に最も火力が出せるウェーブタックルと、主にモロバレル意識で身代わりを採用しました。
身代わりに関しては、ヘイラッシャは低速ではあるがモロバレルよりは速いという点を利用し、相手の攻撃に耐えながらモロバレルに先制で身代わりを使ってキノコの胞子を防ぐことができます。また、対モロバレル以外でも、身代わりを残した状態で相手を倒し裏から出てきたポケモンに欠伸を入れて展開を継続することもできます。
持ち物は欠伸で相手が攻めあぐねている状況で回復できる食べ残しを持たせました。後述するディンルーとどちらが食べ残しを持つか考えた結果、より長く居座った方が強いのはヘイラッシャの方であり、欠伸により回復する回数を稼ぎやすいこと、ウェーブタックルで自分のHPが削れるため継続して回復する手段があった方が良いことからヘイラッシャに食べ残しを持たせることにしました。
配分は以下の記事の配分ほぼそのままで、火力と被弾する頻度からゴリランダーのウッドハンマー耐えが物理耐久の目安と考え、残りをDに振っています。また、素早さに関してはヘイラッシャミラーで先制で身代わりを使って欠伸をかわせるように少しだけ伸ばしていますが、これ以上伸ばすと最遅ガオガエンより速くなってしまいガオガエンに捨て台詞やとんぼ返りで欠伸を容易に抜けられてしまうため最遅ガオガエン-1に設定しています。
テラスタイプは草やフェアリー、格闘に耐性があり弱点も少ない毒を選択。最初は似たような耐性でドラゴンやノーマルにも耐性を持てる鋼で使っていましたが、ウーラオスや炎オーガポンに弱点を突かれる点が気になったのでより弱点が少ない毒に変更しました。
参考記事
■キラフロル@パワフルハーブ/毒化粧/ドラゴン
メテオビーム/ヘドロ爆弾/大地の力/ニードルガード
控え目 179(164)-×-111(4)-176(76)-103(12)-138(252)
もともと構築の出発点はヘイラッシャ+キラフロルであり、ヘイラッシャが欠伸を連打する隣でキラフロルで削りを入れたり、毒菱によりハバタクカミの火力補助を担う目的で採用していました。
しかし調整していく過程でもともとサブプランだったディンルーがやや動かしづらさを感じていたキラフロルに代わってメインプランになったという経緯があります。そのためキラフロルに関しては変更の余地があると感じていましたが、結局納得のいく変更案が出なかったためそのまま使っていました。
技構成はメテオビーム採用のキラフロルの一般的なもので、毒化粧発動を嫌ったり隣のヘイラッシャの欠伸を防ぐのを優先するために放置されることが多かったことからメテオビームによるC上昇から広範囲に打点を持てる構成にしています。
配分に関しては気合の襷を持てないことから守ることができないウーラオスに対して行動できるよう耐久に多めに振っています。
テラスタイプは水ウーラオス相手に即負けにならないよう水半減以下が必要で、草や水は水草炎の並びのどこかが必ず裏目になることから、水半減の中で上記サイクルに強くなれるようドラゴンを選択しました。
腕白 202(252)-135-156(252)-×-111(4)-65
ヘイラッシャ+ディンルーの並びがゴリランダー+パオジアンのような初手を強く呼ぶことから、それらに対してヘイラッシャが即処理されないよう威嚇要員としての採用です。予選時点から唯一変更した部分であり、後発ハバタクカミ+イーユイの並びを作って一層する動きはできなくなりましたが交代で受ける選択肢が出来たことで動きの柔軟性は上がりました。
この構築の軸となっているヘイラッシャが相手を削る性能が高くはないため、ガオガエンを選出した際に削り手段が少なくなりすぎないよう、ガオガエンが出来るだけ削りに参加できる構成にしています。
技構成は、上記の理由から安定した高打点となるフレアドライブ、ガオガエンを温存して威嚇を再利用する動きを考えた際に、相手を妨害する手段が過剰になり削りが足りなくなることを懸念し捨て台詞ではなくとんぼ返りを選択、身代わりや竜の舞との相性の良い猫騙し、ガオガエンが縛られている状態でも隣の火力補助ができる手助けとしています。
採用理由からパオジアンやゴリランダーに対して明確に役割を持たせた上で構築単位でウーラオスに出来る限り強くしたかったため、持ち物はゴツゴツメットを持たせた上で配分はHBに振り切っています。
Sを落としている理由としては、猫騙しの打ち合いを有利にすることよりもとんぼ返りを後攻で撃って後発に繋ぐ動きを重く見たことと、機会は多くありませんがディンルーのカタストロフィの後にフレアドライブを撃てた方が良いと判断したためです。
テラスタイプの虫については、水、格闘、地面タイプの技をテラスタルによって等倍以下で受けようとした際、他のタイプだと裏目が発生することがある(草テラス:パオジアンの氷柱落とし、ウーラオスのとんぼ返り、水テラス:サイクルの過程でゴリランダーを受けられなくなる 等)と考え、役割対象に対する裏目が発生しづらいタイプとしての採用です。
■カイリュー@クリアチャーム/マルチスケイル/飛行
神速/テラバースト/竜の舞/守る
意地っ張り 167(4)-204(252)-115-×-120-132(252)
ヘイラッシャの欠伸展開から繋ぐアタッカーとしての採用です。
ヘイラッシャとディンルーがゴリランダーやオーガポンといった草タイプを強く呼ぶため、それらをあえて放置しながら隣を欠伸で眠らせ、マルチスケイルによる耐久と合わせて確実に竜の舞を積める盤面を作ることを意識します。
持ち物のクリアチャームについて、威嚇を防ぐだけであれば特性の精神力でも良いのですが、凍える風やエレキネット、ワイドブレイカー、捨て台詞といった技も障害になるため、逆にこれらをまとめて防ぐことで積む隙を作りやすくしています。
技構成は、採用理由でもあり欠伸展開と相性の良い竜の舞、テラスタルが必須ではあるものの反動等が無く連発でき、構築単位で強く呼ぶゴリランダーやオーガポンに強く一貫しやすいテラバースト、先発で削った相手を先制技に妨害されずに処理できる神速と、最後の枠には守るを採用しています。
守るについては、カイリューは守るの採用率が低い、欠伸と守るの相性が良いといったことからアドバンテージを得やすく、またクリアチャームがばれると猫騙しを撃たれるため積んだ後に猫騙しを絡めて倒されないようにする必要がありました。攻撃技の範囲が非常に狭くなってしまうデメリットはありますが、範囲の狭さは欠伸によって相手の動きを止めたり、カタストロフィや砂地獄の削ったりすることで解決できることもあり、デメリットよりも守るにより得られるメリットの方が多いと考えました。
配分に関しては、積んだ後の火力がテラスタルしたオーガポンに対してギリギリなため意地っ張りASに振り切っています。陽気にすると竜の舞1回で古代活性が発動していない最速ハバタクカミを抜けるメリットがありますが、構築の構造上耐えられて眠りターンを稼がれる方が負けに繋がりやすいと考え火力を優先しています。
■ディンルー@オボンの実/災いの器/水
カタストロフィ/砂地獄/身代わり/守る
腕白 262(252)-131(4)-165(36)-×-127(212)-66(4)
ヘイラッシャの欠伸展開を補助するポケモンであり、ヘイラッシャの特殊耐久を補佐しながら、カタストロフィで削りを入れたり欠伸と砂地獄を重ねて相手を確実に眠らせて展開します。
技構成は、欠伸を撒く横で安定した削りを入れて他のポケモンで倒せるようにできるカタストロフィ、欠伸を入れた相手の交代を防ぎ確実に眠らせる砂地獄、欠伸展開と相性が良い身代わりと守るとしました。
身代わりの最大の役割対象はモロバレルで、こちらもヘイラッシャと同様相手の攻撃に耐えながら身代わりでキノコの胞子の回避を狙います。モロバレル対策としての防塵ゴーグルや挑発は叩き落とすやメンタルハーブが裏目になるため、汎用性の高いオボンの実+身代わりの構成としました。身代わりと守るを採用することで場持ちが良くなるため、砂地獄の効果を継続しやすくすることにも繋がりました。
ヘイラッシャのところでも言及したように、ディンルーとヘイラッシャの一方を食べ残し、もう一方をオボンの実とする際、ディンルーは長いターン居座るよりは相手の集中攻撃を耐えることが重要で、役割を終えた後は退場した方が都合が良いこともあるためディンルーにオボンの実を持たせることにしました。
配分はディンルーの採用理由自体がランドロスや等の特殊高火力からヘイラッシャを守ることであり特殊相手に出すことが多いと考えDに厚めの配分としました。
テラスタイプは水ウーラオス+パオジアンやハバタクカミ等に対し等倍以下で受けられる場面が多い水を選択しました。
※予選2回目で使用
■イーユイ@イバンの実/災いの珠/ゴースト
火炎放射/悪の波動/鬼火/こらえる
臆病 131(4)-×-100-187(252)-140-167(252)
構築の出発点は先発ヘイラッシャ+キラフロルであり、その後発として最もパワーの高い後発はハバタクカミ+イーユイの並びだと考えて採用していました。
持ち物のイバンの実およびそれを発動させるためのこらえるが特徴的ですが、この4体がトリックルーム下の原種ガチグマに弱く、どこかに対策を仕込む必要があると考えました。
イーユイは比較的持ち物の自由度が高かったため、削れたガチグマに対してこらえるで耐えながら次のターンにイバンの実を発動させて先制で倒す動きを狙っていました。
またこらえるは守ると異なり水流連打を耐えることもできるため拘りスカーフウーラオスに対してもイバンの実により行動できるようになります。
とは言えあまりに一発芸が過ぎるため、トリックルームに対しては基本は守るや交代を駆使してターンを稼ぐようにしていました。
他の技に関しては、ハバタクカミと同様単体に対して削り切れる火力と連打できる安定性が必要と考え熱風ではなく火炎放射と同じく打点としての安定性を評価して悪の波動を選択、自身とハバタクカミの物理耐久を補えて祟り目との相性も良い鬼火を採用しました。
本戦では、構築のメインプランがキラフロルからディンルーに移ったことでイーユイのパワーよりも不安定さが目立ってきたこと、ゴリランダー+パオジアンが採用されたサイクル寄りの構築の評価が上がりこれに対応する必要があることからガオガエンに変更しました。
【最後に】
2016年からダブルバトルに取り組み、今年初めて予選抜け、本戦を経験することが出来ました。
今回の構築は過去に使用した経験のある要素を上手く構築に組み込めたので納得度は高いのですが、本戦の結果としては惨敗に終わってしまいプレイヤーとしてはまだまだ上位で戦える実力では無いことを痛感しました。
来年に向けてまた0から頑張ります。