2023JCS予選第3回使用構築【315位】

【実数値】

ハバタクカミ 131-×-75-187-155-205

ロトム(ヒート) 141-×-128-155-128-138

ボーマンダ 171-205-100-×-100-152

ドドゲザン 185-205-141-×-106-92

テツノツツミ 131-×-134-176-81-206

キラフロル 159-×-110-182-101-151

 

※6/5追記

5/27のてるオフ#5、6/2のテラスクエア#14では一部個体を以下の調整に変更

ハバタクカミ 143-×-92-187-156-175

テツノツツミ 133-×-135-165-90-206

 

 

【概要】

2023JCS予選第3回で使用した構築です。

SVダブルは最大の特徴であるテラスタルの影響で、守るの価値が過去世代に比べると高い、逆に言うと相手の安易な守るにリスクを与える手段を構築に組み込むのが必須と考えました。

環境序盤は地割れディンルー、宿り木の種チオンジェン、キョジオーン、ある程度環境が進んだ後も欠伸ヘイラッシャ等、高耐久を武器に補助技で盤面を荒らしながら戦うポケモンが多く見られました。

更にレギュレーションB以前からあったイッカネズミコノヨザル、合体するタイプのシャリタツヘイラッシャ(寿司)といったギミックも対策必須の並びでした。

これらに対して有効と考えたのが身代わりです。

前者の高耐久ポケモンの補助技に対しては身代わりを合わせればそれだけで1ターン分以上のアドバンテージが得られることも珍しくなく、後者のギミックはアタッカー役の単体攻撃がメインのダメージソースとなるため身代わりを活用すれば捌きやすくなります。

最初に言及した守るにリスクを与える意味でも身代わりは有効で守るに身代わりを合わせれば行動が保障でき、合わせられなくとも倒されなければ択を先延ばしにすることは出来ます。

身代わりを採用するデメリットは守ると合わせると技スペースを2つ割くこととなり攻撃範囲が狭くなることですが、そもそも相手がテラスタルで耐性を変化させるとタイプ相性で弱点を突く前提のサブウェポンは意味を成さなくなるため、一貫性の高い技やタイプ一致の高威力技に絞って採用する方が良いと判断しました。

以上のことから、身代わりと守るを出来る限り多くのポケモンに採用し、身代わりを盾に少しずつアドバンテージを稼いでいく方針で構築を組みました。

 

【個別解説】

■ハバタクカミ@呪いのお札/古代活性/ゴースト

シャドーボール/マジカルシャイン/身代わり/守る

臆病 131(4)-×-75-187(252)-155-205(252)

 

身代わりと守るを採用しつつ残りの2枠でそのポケモンとしての性能を発揮できるポケモンは何かと考えた際に一番強そうだと思ったのがハバタクカミでした。

マジカルシャインは無効タイプ・特性もデメリットも無い命中100の範囲技という身代わりと組み合わせるのに最適な技で、これに同じくデメリットが無くかつ単体攻撃のムーンフォースシャドーボールのどちらかを組み合わせれば、身代わりを張った安全な状態から相手を安定して削れると考えました。

実は最初は耐久に厚くした上で食べ残しを持たせ、身代わり守るに食べ残しの回復を合わせることで盤面に居座り続けてマジカルシャインムーンフォースをばら撒く構成で使用していましたが、使用率1位のハバタクカミに対するマークが厳しく、フェアリー技のみでは削り切れず炎や鋼テラスタルで切り返される場面が目立ったことから、攻撃性能を高めて少ない行動回数で相手に負担をかけた方が強いと判断、ムーンフォースシャドーボールに代わり配分も徐々に火力と素早さラインが上がっていき最終的にCS全振りとなりました。

持ち物とテラスタイプも上記の理由からフェアリー半減に対して等倍の打点を伸ばせる呪いのお札+ゴーストテラスタルという構成になっています。

本当はテラスタイプをフェアリーにしたりマジカルシャインの代わりにムーンフォースを採用したパターンも試したかったのですが時間が無く断念したため実のところこれが最適な構成だとは言い切れない部分ではあります。

 

6/5追記

5/27のてるオフ#5、6/2のテラスクエア#14では下記の調整に変更して使用しました。

控え目 143(100)-×-92(132)-187(116)-156(4)-175(156)

CS全振りは耐久の低さから身代わりが使いづらく安定しない、最速にしてもパオジアンとは同速にしかならない上に相手に一撃で倒される可能性が上がりかえってストレスに感じたことから、火力は維持したまま素早さを合体後準速ヘイラッシャ抜きまで落とし物理耐久重視の配分に変更しました。最低限必要なラインは災いの剣込みのA172アイススピナー耐えで、その少し上が同条件氷柱落とし耐え、A120キョジオーンの塩漬けを身代わりが高乱数耐えとなったためそこまで伸ばしました。

 

ロトム(ヒート)@防塵ゴーグル/浮遊/水

オーバーヒート/10万ボルト/鬼火/守る

控え目 141(124)-×-128(4)-155(124)-128(4)-138(252)

  • H-B:134イルカマン(ナイーブ)神秘の雫水テラスタルジェットパンチ確定耐え

 

ハバタクカミを運用する上で課題となるのが鋼に対する耐性および打点で、炎タイプが補完として噛み合っているため炎タイプ枠としての採用となります。

ヒートロトムは数値こそ頼りないものの、炎タイプとしては特性浮遊による地面耐性、電気技によるテラスタル(テラバースト)に頼らない水タイプへの打点、電気タイプによる飛行耐性(=飛行テラスタルカイリュー耐性)を持ち、これらの要素が構築に綺麗に噛み合ったため採用に至りました。浮いているポケモンボーマンダと合わせて2体になるため、地震持ちのディンルーやイダイナキバ、ガブリアスに対して被害を抑えやすく、単純にディンルーに対する引き先を複数用意できるため地割れに対するストレスも軽減できます。

技構成はヒートロトムの打点としての2つと概要で説明した通り重要な守ると、ディンルーやカイリュー、パオジアン等高火力物理を止められる鬼火としています。鬼火は命中不安ではあるものの、当てれば永続で物理火力半減かつ定数ダメージと低命中技の中ではリターンが大きくハバタクカミを動かしやすくするという炎タイプの採用目的とも噛み合っているため採用しています。ボーマンダ地震を撃つ際にロトムを隣に置く場面を考えるとロトムにも身代わりを採用したいところでしたがさすがに技スペースにも数値にも余裕が無いため断念しました。

持ち物はモロバレルのキノコの胞子を身代わりでかわせない場面でロトムへの交代で逃げつつモロバレルの隣を殴ったり鬼火を入れたりできるよう防塵ゴーグルとしています。

配分はカイリューギャラドスに先制しやすいようSは準速に設定、テラスタル無しでもナイーブイルカマンの前で動ける程度の耐久を確保しつつ残りを火力に回しています。

テラスタイプについて、炎タイプはテラスタイプ草での採用が多いことからわかる通り水や地面への耐性を持つテラスタルが有効ですが、ロトムの場合は特性浮遊により地面耐性は既に持っており、今回はモロバレルへの後出しも想定して防塵ゴーグルで採用しておりモロバレルに対しテラスタルを使う必要がないため、水耐性を確保しつつヒートロトムが本来持つサーフゴーやハッサム等の鋼打点への耐性を維持したいという点から水を選択しています。

 

ボーマンダ@ものまねハーブ/威嚇/地面

ダブルウイング/地震/身代わり/守る

意地っ張り 171(4)-205(252)-100-×-100-152(252)

 

汎用的な威嚇枠でありながら、イッカネズミコノヨザル、寿司、バンギラスルガルガンといったギミックの対策枠でもあります。

構築としてパワーの高さを押し付ける形ではないため威嚇が必要と考えたのですが、威嚇を回す過程でディンルーに後出しする場面で飛行タイプ以外だと常に地割れ被弾のリスクが付きまとうため、特性威嚇かつ飛行タイプの中から選ぶ必要があり、その中で数値と覚える技が要件を満たしていたのはボーマンダだけでした。

持ち物のものまねハーブは主にイッカネズミコノヨザルが入った構築に対し選出択を作らなくするためで、取り巻きに威嚇が有効な相手が多いのに特性負けん気のコノヨザルがいるせいで威嚇を出せないといったことがないよう、負けん気発動を逆に自分へのバフに変換できるようにしています。更にイッカネズミコノヨザルの並びは基本的な攻撃手段はコノヨザルの単体技のみになるため、身代わりを使うことで常にボーマンダ自身か隣のポケモンのどちらかは動ける状況を作ることができます。実際はイッカネズミの構成次第では抜け道はいくらでもあるのですが、選出択負けによる即負けを回避できるため選出を考えるのが楽にはなりました。

ものまねハーブは身代わりとキラフロルの毒を組み合わせることで寿司対策としても運用できるようになっています。一般的な物理ヘイラッシャは範囲技が地震のみのため浮いているポケモンとその隣を同時には殴れないという点を利用したもので、合体時の能力上昇をコピーした後身代わり守るでボーマンダを盤面に残し続けて毒でヘイラッシャを倒すことで最終的に全能力が上昇したボーマンダを通す動きを狙います。

技構成は身代わりと守るは既に説明したため説明不要として、ダブルウイングは少ない技枠で広い範囲に削りを入れられる技として採用しています。地震と地面テラスタルについては、鋼か炎にテラスタルしたコノヨザルをこの指とまれを無視しながらA+2状態ならフレンドガード込みでも倒せること、バンギラスルガルガンに対し岩雪崩のダメージを抑えながら大きく削れるために採用しています。

配分について、寿司に対しものまねハーブを発動させヘイラッシャを倒した後、無振りシャリタツを非テラスタル地震で落とすためにA205が必須なため意地っ張りAS全振りとしています。S実数値が近いイーユイやイダイナキバは追い風や拘りスカーフといった補正が乗っていることが多く、コノヨザルもSを伸ばした個体は拘りスカーフ命懸けがほとんどと予想し、倒したい相手を倒す火力の確保を優先しています。

 

■ドドゲザン@黒い眼鏡/負けん気/悪

ドゲザン/不意打ち/身代わり/守る

意地っ張り 185(76)-205(252)-141(4)-×-106(4)-92(172)

 

構築内に高火力先制技があればその分ハバタクカミが動きやすくなると考えての採用です。先制技持ちとしてドドゲザンを選んだのは高耐久かつ不意打ちが鋼やゴースト相手に一貫するというのはありますが、レギュレーションB以前から使用していて単純に使用感をある程度分かっていたというのが正直なところです。

このポケモンの身代わりの運用方法は前述2体とは少し異なり、低速ポケモンの補助技に合わせて有利盤面を作るのは同じですが、加えて耐久の高さに威嚇や鬼火を組み合わせて身代わりを残し攻撃回数を稼ぐ、不意打ち絡みで発生する択に相手から見えない身代わりの択を加えることで有利な択に持っていく、後攻身代わり→不意打ちで身代わりを残しながら相手を倒すといった動きも取れます。

その他の技について特筆すべき部分は無く、持ち物も不意打ちとドゲザンの打点を伸ばし縛れる範囲を広げられる黒い眼鏡としています。

配分については採用理由からAを全振りとしているほかSをかなり高く設定していて、4振りチオンジェンに先制で身代わりを張って宿り木の種を起点にできるようにしています。チオンジェン自体の数が減少傾向にあったためSを落として耐久に回しても良かったのですが、テツノツツミの凍える風と合わせる際にSが高い方が動きやすい場面が多いと考え結局そのままでした。

テラスタイプは攻撃技の打点を伸ばしつつ炎や地面弱点を消すことができる悪を選択。威嚇を合わせることでディンルー等に身代わりを残しやすくなり、単純に打点も伸びるため身代わりを壊そうとしてくる相手を不意打ちで倒すことで身代わりを残す動きも取りやすくなります。

 

■テツノツツミ@ブーストエナジー/クオークチャージ/ゴースト

フリーズドライ/凍える風/アンコール/守る

臆病 131-×-134-176(252)-81(4)-206(252)

 

概要で述べた相手の守るにリスクを与える行動として、身代わりやドドゲザンの不意打ちとの相性も良いアンコールが使用でき、かつ素早さ操作が出来るポケモンとして採用しました。

素早さ操作はあくまで縛り関係を作る・逆転するための手段の一つであって構築に必須の要素ではないものの、あった方が立ち回りの選択肢を増やせるため軸ではなく補完としての採用です。

技はハイドロポンプの無いテツノツツミの一般的な構成ですが、特に重要になってくるのが守るです。極端な数値と相手視点ではハイドロポンプフリーズドライ+凍える風の組み合わせが受けづらく素早く処理したいため様子見としての守るが決まりやすいです。

持ち物は役割上動きの柔軟性を落とさず相手の上を取ることが重要なのでS上昇のためのブーストエナジーです。

テラスタイプは、火力が武器でなく頻繁にテラスタルするポケモンでも無いためピンポイントで耐性を持たせるものが良いと考え、構築内で上を取る手段が無い神速を無効化できるゴーストを選択しました。

配分に関しては持ち物と役割の関係で最速は必須として、他は煮詰める時間が無かったためとりあえずフリーズドライを撃てる状況で出来るだけ相手を削れた方が良いと考えC全振りとしました。

 

6/5追記

5/27のてるオフ#5、6/2のテラスクエア#14では下記の調整に変更して使用しました。

臆病 133(12)-×-135(4)-165(164)-90(76)-206(252)

最速を維持しつつ臆病ハバタクカミのムーンフォースを耐えるようDを伸ばしました。テラスタルや火力強化アイテムで突破されてしまうためこれで行動保障が出来ているとは言い切れないのですが、相手の持ち物判別が可能になる点や、強化アイテム持ちでないと分かった後やテラスタルを他に使わせた後であれば1ターン猶予ができるという点から立ち回りを組み立てやすくなると考え、出来る限り火力を下げないようにしつつ耐久を確保しました。

 

■キラフロル@気合の襷/腐食/草

パワージェム/大地の力/キラースピン/ニードルガード

臆病 159(4)-×-110-182(252)-101-151(252)

 

ヘイラッシャやディンルー等の高耐久ポケモンを毒で倒しやすくするために採用しました。

合体したヘイラッシャに確実に毒を入れる、そのためだけにテラスタルを使いたくはなかったので気合の襷を持たせています。

配分も気合の襷の強みを最大限生かせる臆病CSとしています。

特性腐食の選択理由ですが、毒化粧は上手く機能すれば強力なものの相手への依存度が高すぎて立ち回りを考えるのが困難だった上に環境序盤はディンルーやチオンジェンの毒テラスタルが多く、腐食であれば相手のテラスタルを強く使わせないことが出来ると考えました。ただ次第に毒テラスタルが目に見えて数を減らしてきたため毒化粧にしても良かったかもしれません。

技構成は一般的な4つで、タイプ一致技には広範囲に等倍で入りテツノツツミの弱点を突いて一撃で倒せるパワージェムを選択、パワージェムと相性が良くキラフロルミラーや毒の入らない鋼に撃てる大地の力を採用しました。キラースピンに関してはこの指とまれや怒りの粉を無視でき雑に毒を撒いて相手を削れるため採用していますが、特性腐食であれば鋼にも通り身代わり守るを駆使してダメージを増やせるどくどくとの選択になります。これについても十分に試す時間が取れなかったためキラースピンのまま使っていました。

テラスタイプは4倍弱点の地面を半減できモロバレル等にも強くなれる草ですが、このポケモンをテラスタルさせる動きがそもそも強いと思えず実際大会中一度もテラスタルすることはありませんでした。仮にキラフロルミラーで何もできず倒されたとしても他のポケモンをテラスタルさせた方が強いと思っています。